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- Monokaki -


サイ
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概要

 サイ(犀、砦・災とも)は、大型の哺乳動物である。非常に硬い皮膚を持ち、その体は果物ナイフを突き立てたところで傷一つつかない。果物ナイフでサイに挑むのは無謀と言って良いだろう。皮膚は熱にも強く、130℃で2秒間の殺菌を行っても鼻息一つ乱すことはない。
 一般にサイは、陸上ではゾウに次ぐ巨躯を誇る陸生生物と言われている。しかし、実際に二者を比較して見たことがある人に言わせれば、サイに較べたゾウなど、お釈迦様の手のひらの上でいきがる孫悟空のようなものだという。ゾウは性格が比較的穏やかであるので、観察者も近寄りやすいが、サイは気性が荒く、近づくものは誰彼構わず突き刺して油で揚げてソースをかけて食べてしまうため、観察者は遠くから観察せざるを得ない。そのため、ゾウは大きく、サイは小さい、という愚説が流布してしまったのではないか、と推測できる。

 サイは恐ろしく獰猛な生物である。
 天然の鎧をまとっていることは上に挙げたが、恐るべきはその攻撃装備の数々だ。
 まず、サイを初めて見た人が、必ずと言っていいほど東京タワーと勘違いしてしまうツノである。ツノは数々の動物を突き殺してきたため、強い個体ほど赤く血塗れている。ある時、視察でサイの棲むサバンナを訪れた先端恐怖症の国会議員が、サイのツノを見た瞬間、こうつぶやいて失神したという―― 「データフォルダは中身を見ずに処分してくれ」。
 次に、蹄だ。とあるサイが、敵を小一時間踏みつけてクレープ生地のようにペシャンコにし、それを模造紙代わりにして、総合的な学習の時間に職業体験の感想を発表したというエピソードは、今でもサイ界の語り草となっている。また、その鈍重そうな外見からは信じられないほどのスピードで疾走できるのも、丈夫な蹄のおかげである。最高速度は実に230km/hを超えるとも言われており、その突進は恐るべき威力を誇る。かつて一頭のサイが、スカンディナビア半島とくっついていたグリーンランドを突き飛ばして、現在の位置まで動かしたというエピソードも残っている。

 

生態

 サイは夜行性であり、明け方近くまでぶつかり稽古にいそしむこともあるが、週に3回は休息日である。そんなときはテレビを見て過ごすことが多いが、案外短絡的でだまされやすいので、深夜のテレビショッピングでいらない買い物をしてしまうサイも多い。
 主食は、米と肉である。サイが草食動物だとする見方もあるが、テレビ好きで、グルメ番組や健康番組ばかり見ているサイが草しか食べないなどということは、到底信じがたい話である。
 基本的に単独行動を好むが、数頭が偶然集まるとフルーツバスケットや、トントン相撲、アメリカンバトルドームなどのゲームをして遊ぶことから、仲が悪いというわけではないようだ。

 

分類

 以上のようにサイはとても魅力的な動物である。それでは、現在地球上には何種類のサイが生息しているのだろうか。実はたったの5種類である。月曜日から始めて1日に1種類ずつ覚えていけば、金曜日までですべてのサイの種類を覚えきることができ、土曜日と日曜日は休みになるのでとても便利である。

1. シロサイ

 シロサイは、5種類の中で最も生息数が多い。過去サイ界における大統領選挙でも最も当選回数が多く、そのため5種類の中で最も優秀な種と目された過去もあった。今ではそのような考え方は古いとされている。
 気性はサイにしては穏やかなほうで、よほどのことが無い限り暴れることはない。しかし、自分の権利は自分で守る、という意識が強く、縄張りを不当に侵されたり、あんまり長いことガン見されたりすると、その鋭いツノが敵の脾臓をつらぬいてやまない。

2. スマトラサイ

 スマトラサイはロマンチストだ。スマトラサイたちは、大人になると地面に大きな天球図を描き、そこに毎夜自分で見つけた星座を書き込む。天球図は次第に星座で埋め尽くされてゆく。そうして毎日を過ごすうちに、スマトラサイも歳を取る。死期を悟ったスマトラサイは、天球図の中央に居座るようになり、やがて来る死を待つ。
 サイは肉食動物だが、スマトラサイに限っては肉をあまり好まず、野菜や豆腐、スープなどを好んで食す。特にタケノコが大好きである。サイ草食動物説が広まった背景には、スマトラサイに偏った研究があると言えるだろう。

3. クロサイ

 クロサイは5種の中でも非常に好戦的である。そのため縄張りが非常に広い。クロサイはアフリカに生息するが、アフリカの大半はクロサイの縄張りであると言っても過言ではない。クロサイは、縄張りの中に入った生物を片端から突き殺して回る。
 それでは、アフリカに住む人々や他の動物たちは、いったいどうやってクロサイと共存しているのだろうか? 実はクロサイは、好戦的である反面、非常にだまされやすいため、うまいこと言い訳すればだいたいは許してもらえるのである。
 2002年に開催された世界言い訳選手権において、未開民族出身のヤマシュダ青年がグランプリを受賞したが、それはまぎれもなく彼がクロサイと共存していたおかげである。

4. ジャワサイ

 ジャワサイは陽気で明るく、一緒にいるとつい楽しくなってきてしまうようなサイである。機転がきき、言い訳がうまく、臆病でこずるいところもないとは言えないが、それでもなぜかにくめないのがジャワサイである。
 ジャワサイは、広く一般に知られている「サイ」から大きく逸脱しつつある種でもある。サイは獰猛な動物であるが、近年観察されたジャワサイの中には、肉弾でのぶつかり合いを好まず、口車だけで世間と渡り合っている、なんともサイとはかけはなれた個体が数頭居たのである。それもすべてはジャワサイの持ちうる天性の陽気さがあっての上でのことだろう。

5. インドサイ

 インドサイは、5種類の中でも最もなぞに包まれた部分の多い種である。非常に哲学的であり、また毎日瞑想を欠かさず行っている。縄張りに入ってきた他の個体に対しては、互いに不思議な言葉を投げかけあって戦う(「サーリプッタ」「モッガラーナ」など)。かと言って、肉弾戦が苦手なわけではない。かつてグリーンランドを突き飛ばしたサイが居たというエピソードを紹介したが、何を隠そう、それはインドサイの個体だったと言われているのだ。
 インドサイはその名が示すとおりインドに生息する。初めてインドを訪れた人々はまず、道端で瞑想しているインドサイの多さに驚くだろう。「教科書には牛がたくさんいると書いてあったはずなのに」と、とある国の中学生は驚いて目をシマウマのように白黒させていた。教科書に書いてあることがすべて正しいとは限らない、ということを教えてくれる一つの好例だろう。

 

おわりに

 サイについて、ほんの少しではあるが、伝えることができただろうか。サイはとても魅力的な動物である。しかし、サイは現在とても数が少なくなっており、ほとんどの種が絶滅危惧種に指定されている。こんな魅力的なサイたちが、この世から消えてしまうことは、とても悲しいことだ。
 サイの頭数が少なくなった原因の一つが、地球温暖化である。地球温暖化により海面が上昇したため、誤って海に転落して溺れてしまうサイが後を絶たないのだ。サイのためにも、地球温暖化を食い止める必要がある。
 我々サイ愛好家連盟は、全国の薬局・薬店で小林製薬の「熱さまシート」を購入し、それを地道に地球上に並べる活動を行っている。しかし、まだまだ地球の熱は収まる気配を見せない。
 我々はこれからも、サイの魅力を通して、地球温暖化に対する警鐘を鳴らし続けていこうと思っている。

(了)

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