- Monokaki -


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 未来の僕って、いったいどんな人になってるのかなぁ・・・。

 僕は将来サッカー選手になって、ワールドカップの代表の選手になりたい。だから毎日みんなとサッカーをしてる。僕はアキよりもシュートが上手いし、ノリよりもドリブルが上手いと思うんだ。だから、きっと毎日練習していけばプロのサッカー選手になれるんじゃないかなぁ。

 もし、そうじゃなければ、僕はたぶんカッコイイ、ビジネスマンになっていると思う。パパは「コウムイン」っていう仕事をしてるんだけど、僕はパパよりももっとすごい会社に入って、将来パパやママをビックリさせたいと思ってる。いっぱいお金をもらって、大きな家を建てて、大きな犬を飼って、そして田舎のおばあちゃんとも一緒に住む。うん、そうだ、あと、レイコちゃんと結婚するんだ。アキもレイコちゃんのこと、好きみたいだけど、僕は1年生のときから一緒のクラスだし、きっと僕はレイコちゃんと結婚できると思う。そしてみんなで住めばいいや。

 どうして、こんなことを考えているかというとね、6年生のお兄ちゃんが、未来の自分へ手紙を出すんだって言ったからなんだ。僕は、書いたの見せてって言ったんだけど、見せてくれなかった。だから僕もお兄ちゃんの真似して、書いてみることにしたんだ。きっと、未来の僕、手紙を読んだら懐かしくなるよね。まだ3年生で、手紙の書き方もよくわからないけど、未来の僕が感動するくらいの手紙を書いてやろうと思う。どういう風に、書こうかなぁ。

 とりあえず、学校で白い紙を用意したから、これに鉛筆で書けばいいよね。

 
"未来の僕へ"

 元気ですか。僕は小学3年生のころの、僕です。
 今、何をしていますか。サッカー選手になって、ワールドカップに出たりしていますか。
 それとも、カッコイイビジネスマンになっていますか。
 大きな家を建てて、みんなで住んでいますか。
 レイコちゃんとは結婚しましたか。アキや、ノリとは、まだ友達ですか。アキや、ノリは、どんな人になってますか。
 僕は、毎日サッカーをしています。学校は、友達がたくさんいて、とても楽しいです。未来の僕も、そんな風に、すごく楽しい毎日を送っていればいいなと思います。

 これでいいかな。よくわからないや。これを、あとはどうすればいいんだろう。お兄ちゃんに聞いてもきっと教えてくれないだろうなぁ。でも、手紙なんだから、とりあえず、ポストに入れればいいのかな。

 お兄ちゃんに聞いたけど、やっぱり教えてくれなかった。しかも、お兄ちゃんに、お前の書いた手紙見せろ、って言われて、ケンカになっちゃった。自分で考えよう。やっぱり手紙はポストに入れてこよう。手紙は、手紙なんだからね。


 そしたら、次の日、僕に手紙が来た。


 "小学3年生のころの、僕へ。"

 お手紙ありがとう。とっても懐かしいです。僕は今、26歳です。毎日元気に生活しています。
 もしかしたら、君は残念に思うかもしれないけど、僕は、サッカー選手でも、カッコイイビジネスマンでもありません。僕はね、オンドローンになっています。
 うん、何のことかわからないよね。オンドローンっていうのは、僕が中学3年生の時に初めて生まれた、新しいポンペーンなんだ。
 ごめんね。ポンペーン、ってのも分からないよね。僕の暮らす今の日本は、君には想像もつかないほど変わったんだよ。ポンペーンというのは、君の時代で言う、「醤油の受け皿」に似た役割をもつものだよ。
 でも、「醤油の受け皿」では無いんだ。だって、もしそうなら、僕は「醤油の受け皿」になってしまったことになるからね。もっとかみ砕いてわかりやすく書きたいんだけど、なかなか難しいな。
 とにかく、オンドローンは、今日本中に、3人しかいないんだよ。これはとってもすごいことなんだ。
 君はこれから成長していく中で、たくさんの革命を見ることになるんだ。そして、いずれ君はその革命の先頭に立つ、素晴らしい存在になるんだよ。
 サッカー選手にはなれなかったけど、大きな家は建てました。とても大きいので、世界中の人が間違って僕の家に入ってきてしまうほどだよ。
 そうそう、それから、レイコちゃん。レイコちゃんとのことは、君には秘密だよ。どうしてかって?それは、いずれ、きっと、わかるよ。でも、僕のなかでレイコちゃんがとても大切な存在だということは、変わっていないよ。
 それと、アキは今ゾンゾンズーの一員になって、モリンキーを破壊しています。モリンキーを破壊するなんて、すごいことなんだよ。それは君の時代で言うと、総理大臣と一緒にお風呂に入るくらい、すごいことなんだ。
 ノリはね、ヤムーペンペンでケチョンプリンを作りながら、ヨリヨリンを押しています。ノリのすごさは、なかなか言葉では表せない。ノリのやっていることは、君の時代からは想像もつかないほど、すごい大役なんだ。
 そして、僕は、アキともノリとも、仲良くやっているよ。たまに、昔話もするよ。ちょうど君くらいの時の話もする。あとは、3人で集まって、テローヘしたり、ヘーロテに乗ったり、ヘンテロを踏んだりと、本当にいい関係を続けている。
 ちょっと、君には想像もつかないことが多すぎるね。ごめん。でも今の僕にはこうしか書けないんだ。
 君から手紙が来たときは本当に嬉しかった。それじゃぁ、これで。君の将来に期待しているよ。フフフ。

(了)

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